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■ちょろちょろっと
服部です。
来月9月に出す同人誌「ユカリオン!!」の2巻目の冒頭ができあがりましたよー。
相変わらずごっちゃですが、もしよろしければ読んでくださるとありがたいです。
なお、コメント欄、WEB拍手、はたまたメッセやリアルでの批評突っ込みお待ちしております。
読み流しでも全く問題ありません。それだけでも感謝です。

では続きからどうぞ。
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突然、君の目の前にブキミな怪人が現れたらどうする?
たぶん、君は大声を上げて逃げ出すか、声すら出せないでその場にうずくまってしまうよね。
でも大丈夫、僕らの住む町には素敵なヒーローが居るんだよ。大声で叫んでごらん、きっと直ぐに駆けつけてくれるよ。
その名も「ユカリオン」!!

【超絶変身★ユカリオン!!2 超絶★山小屋でドッキリ?!】

1.

目の前に広がるのは、何も無い荒野。乾いた風が吹きすさび、太陽は雲に隠れ、僅かに隙間からのぞく光が地上をほんのりと照らすのみである。
そこに、ひとつの人影が佇んでいるのが見える。スッと背筋を伸ばした身体が纏っているのは、銀色の鎧。細かく見れば膝や腕、胸の辺りには六角形のプロテクターであろう分厚い部品が付いている。それぞれその中央には深い緑色の丸い宝石らしきものがはめ込まれており、空から降ってくる僅かな光を照り返した。
そしてその素顔を隠すマスクは、視界が黒くサングラスのようになっており中の人物の表情は、読めない。
両耳のあたりに付いた部品は一見すると、それはさながら兎の耳を思い出させる長さで、ピンと天に向かって伸びる形が印象的であった。
人影は一向に指ひとつ、首ひとつ動かさずその場に立ち続けている。マスクで隠された顔を、ただ一点目の前だけに向けて。
その顔の先には荒く切り出された丘が広がっている。何も姿が見えなかったはずの丘の上に黒くうごめく影がちらり、と見える。
その瞬間、ぴくり、と人影の長い"耳"が僅かに揺れた。

「―――来たッ!」
人影は瞬時に反応し、顔を空に向ける。
ヒュウッ!ヒュウッ!
小さく彼方から、風を切る音が耳に入る。そして人影の目線に入ったのは―――青い空の果てに映える、豆粒ほどの黒い影。
だがしかし、それは風の音が強まるにつれて段々と大きくなり、まっすぐに人影に近づいていく。
1つ、2つ、3つ…徐々に数が増えていき、最早風を切る音も穏やかなものではなくなったそれを、不思議なことに人影は焦る様子も無く見つめていた。
「…行くぞッ!」

一声、人影が声を上げた瞬間、耳を劈くような爆音が周りに響き渡った!

「…ァアアアアッ!!」
そして間も無くあたり一体は土ぼこりに包まれ、未だ治まらない衝撃音と砂埃の中から聞こえてきたのは、迫力のある叫び声。それと同時に切れ切れに聞こえてくるのは、破壊音。
「やあっ!たぁっ!…とおっ!!」
声と共に伸びた拳が、恐ろしい速さで岩の瓦礫を破壊し、粉々に砕け散ったそれが威勢のよい掛け声と共にあたり一面に散らばる。それはきらりと輝いて人影のあたりをくるくると舞った。
やがて破片が地に全て落ち、視界を遮るものがなくなると人影の姿がはっきりと見えるようになる。
「…もう、一回…!」
人影がそう呟き、再度空を見上げるとひゅううとまた空から岩石が降ってくるのが見える。
足を安定させるように肩幅に開き、空からの襲撃を迎え撃つように腕を構えたそのときだった。

『…ィヤッホオオオオオオ!』

今まで漂っていた緊張感を破るように、甲高い掛け声を上げながら人影の前を何か大きなものが横切った。ぶわん、と大きな風が起こり思わず人影は綺麗に構えていた腕をとっさに顔面に移動させてしまう。
「ちょっ…!危ないじゃんケンターボ…ってうあああ!」
人影は突然の襲来に驚き声をあげるが、空から落ちてくる岩石は止まらない。それに気付いて素早く腕を構えるが時既に遅し、1つ2つ砕いただけで岩の落ちる早さには追いつかず、大量の岩石が人影を襲う。哀れ人影はその下に埋もれてしまった。
『げっ!やっべ、どうしよ。…おーい、生きてるかー?』
人影の前を横切った大きな六角形のボード―――ケンターボと呼ばれた機械はは不思議なことに宙を浮いたまま、人影が埋もれた方向に半回転する。そして、機械の合成音声で言葉だけは心配するようなことを呟いた。
ふわふわふわ、と瓦礫の山に近づいて、微かに上下を動かして一応は心配しているのだろうか、くるくると辺りを回っている。その間にごろりと瓦礫の山から岩が崩れだし、銀色のボディが姿を現す。そしてゆっくりと立ち上がるとふるふると頭を振って、突然あたりを漂っていたボードを乱暴につかんだ。
「ちょっとちょっとちょっと!!いっつもいっつもじゃましないでっていってるじゃんかぁっ!!」
『うわっ、ちょ、おま…!振り回すなふりまわぎゃあああ!よせ、よせってこのバカ力!鬼畜ヒーローォォォー!』
「ぬわぁにが鬼畜よ!人の訓練の邪魔しといてその言い草はないんじゃないのっ!」
マシンガンのように文句を言い始める人影は、その口調と同じように強く強く手にしたケンターボを振り回す。小さな子供ほどの大きさがあるそれを、実はソレよりも少し大きいだけの人影が振り回しているのだからハタから見れば異様な光景に見えるだろう。そして同時に、そんな力が人影にあるのだということがよくわかる現象でもある。
『やめっ、やめてくれよっユカリオン!……由香利っ!」
ケンターボが叫ぶと同時に観念したのか人影がつかんでいた手を離し、上に向かってそれをブン投げる。空に舞い上がったそれはしゅっという効果音が響き緑色のまばゆい光が放たれ、その構造が変化していく。それはやがて落ちながら人型へと変化していき、地上へたどり着いたそのとき、そこには一人の少年の姿が見えた。
紅いジャケットに黒いシャツを着込み、青いズボンは所々ドロやほつれが見えこの少年が活発なことがよく解る。
その顔には少しだけ苦痛の表情が浮かんでいる。ぼさぼさの髪の毛がある頭を抑え、そこが痛いのかさすりながら人影に近づいてきた。
「おいユカリオン!おまえなー!その乱暴なところどーにかなんねぇの?毎回毎回吹っ飛ばされるオレの身にもなれよな」
ユカリオンと呼んだ人影の硬質な頭をこつんと拳骨で叩き、文句を言った後少年は「この鬼畜ヒーロー」とぽつりと呟いた。
「あんたが先に突っ込んできたんだろうがっ!あーもう、訓練になりゃしない…」
そういうや否や、突如荒野だった周りの風景がゆがみ始め瞬時に硬質な
部屋に変化する。壁一面白く塗られ、ちょこちょこと点滅するランプのようなものと、扉であろうものがあるだけの簡素な部屋だ。
先ほどまでの荒野は、ランプらしきものから投影された超立体型のバーチャル映像であったのだ。すなわち、ここで起きたことは現実のものではないのである。なるほどユカリオンも、あれだけの岩石の下敷きになりながら傷1つついていないのもこういった理由からであった。
バーチャル映像が消えると同時にユカリオンも先ほどの少年同様の緑色の光に包まれる。パシュン、という気の抜けるような音が響き、天に向かって淡い光が筒状になって光る。そして驚いたことに、そこにはふわりと髪の毛を二つに縛り、短いスカートをひらひらとゆらし立っている少女が立っていた。
「ああもう、今日の訓練おーわりっ!おわりっ!」
ぐいっと小さな腕を上げ背伸びするような格好を取った少女は、先ほどまで岩石相手に見事な腕を振るっていたユカリオンと同一人物とは思えぬかわいらしい動きをして、ドアへと足取りも軽く歩き出した。
「由香利、お前ちょっとしか訓練してねえじゃねえかよ」
少女は由香利という名前らしい、そう少年に呼ばれ振り向くがその顔は不機嫌極まりない。二つの大きい瞳はまぶたが半分まで下がり、かわいらしい小さな口は、不満なのか先をとんがらせている。
「このバカ憲太!あんたが邪魔したんでしょーがッ!」
自分の名前の前にバカとつけられた少年―――憲太はその言葉に反論すべく、由香利の近くまですたすたと近づき、話し始める。
「なんだよーオレが来たのがそんなにアレかよー」
「だっていつもいつもっ!」
「なんだとこのやろう!この鬼畜ヒーロー!ダメダメヒーロー!」
「なによこのダメダメ円盤!眼ぇ回されてばたんきゅーなんて、弱すぎるじゃん!」
「なんだよなんだよ!このへっぽこヒーロー!」
ぐぬぬぬぬ、と2人は顔を付き合わせたまま唸りあいしまいには「ふん!」とお互いにそっぽを向いてしまう。

実は、この喧嘩をしている少女と少年が今、お茶の間を騒がせているヒーローたちだと言ったら、ほとんどの人間は信じられないというだろう。
少女の名前は天野由香利。小学4年生の小柄な少女だが、ひとたびディスパーという怪人が街を荒らせば正義のヒーロー「ユカリオン」に変身し、平和を守っているのだ。
少年の名前は榊乃憲太。由香利と同じ小学4年生だが彼も事件が起これば、先ほどの六角形ボードに変身しユカリオンのサポートメカ「ケンターボ」として活躍しているのだ。

この物語は、そんな2人の愛と涙と時々パロディが入り混じる単純明快な冒険ヒーロー活劇である!

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順次あげていきます。なるべく8月中に大まかに書けたら…と思っとります。
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