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■途中
グロ描写ありますよ。
変態が居ますよ。
2.

深夜、ある森に黒い円盤状のものが降り立った。ゴウンゴウンと低い機械音を響かせゆっくりと着地したその下部から、素早く太い棒状の機械が地面に刺さり固定される。
都市郊外にあるひっそりしたその森は、シーズンにもなればキャンプ場にもなる場所でもあるが、季節的なこともあり幸か不幸か人っ子一人、人間の姿は無くこの襲来に地球人は気付きもしなかった。

プシュウ…

白い蒸気が円盤下部の四角くはめ込まれた場所から漏れ、やがてそれがゆっくりと開き階段状に変形し地上に降りられる形になる。ステッキを高く鳴らし、1つの人影が降り立った。
幾つも聳え立つ木々、湿っぽさを含んだ土の匂い。そしてその隙間から見える煌く街の光。一通り周りの様子を検分すると、口に手を当ててふん、と1つ鼻を鳴らした。
「ふむ、かつての母星と似たような大気、地形じゃが…ふん、あまりにもお粗末な文明じゃ」
幾分か猫背ぎみなその人影は、足元の捨てられた缶を無造作に蹴った。からんからんと無機質な音を立てて転がっていくその姿を見ながら、人影は苦々しく言い捨てる。
「何故こんな未開発の星の人間がアレを操ることが出来たのか、ワシには甚だ疑問じゃわい。そして、あやつも何故」
何かを思い出すような表情で真っ黒い空を見上げた人影の後ろに、チートン博士の思考を中断させるように1つ影が重なる。すらりとした人影よりもさらに高い背を持つ影は、空に浮かんだ月光に照らされる。その光は、顔を半分だけ隠した仮面を照らして鈍く光った。
「チートン博士ェ、いかがなさいましたァ?突然お姿が消えて、サルハーフとっても心配しましたワァン!」
不気味な森の雰囲気を壊すほどの能天気なダミ声が、辺り一体に響いた。
チートン博士と呼んだ人影に向かってシナを作りながら、サルハーフと自称する影は博士に駆け寄る。動くたびに身体に張り巡らされた紐状の機関が擦れ合い、粘着質な音が響いた。
その姿はまさに異形のもの。地球人が見れば哺乳類の猿を思い出すだろう顔を持ち、細身の身体にはいたるところに紐状の機関が張り巡らされている。
「貴様か、両性怪人サルハーフ。宇宙船の調整は終わったのだろうな」
「ええ、ええ、完了してますワそりゃあもう完璧にっ」
サルハーフはその細い身体をクネクネと揺らして博士のご機嫌を取るように言う。
「ならば良い。――――あやつは、どうした」
博士はサルハーフの愛想ににこりともせず、もう1人の怪人の様子を問うた。"あやつ"の話題を出されたサルハーフの表情は少しばかり嫌悪を含んだものになるが、創造主の命令には逆らえない。ため息交じりで様子を報告するために口を開いた。
「相変わらず、鉄くずばっかガリガリ齧っていますワ。全く燃費の悪い子ですこと」
「お前はその燃費の悪いあやつの監視役ということを忘れるでないぞ」
「ごもっともでございます博士。なにせあの子は、アテクシが再構築したエネルギーがないと、生き長らえない身体をもっておりますから」
クククっ、と下衆な笑いをこぼす。サディスティックなその笑みに対し博士はやはり表情1つ変えなかった。
「そういった意味では、あいつは失敗作じゃ。しかし、純粋な戦闘能力は今までここで捕らわれた雑魚よりも遥かに上回っておる」
博士の脳裏に、かつて宇宙から送り込んだ4体のモンスターの姿が浮かぶ。ヒルドーラ、メヨキーク、ア・ナログにデ・ジタル…。
彼らは無機物から有機物を製造し合成して作られた異次元モンスター。何れもサルハーフとは違い知能は多少低いが、戦闘に特化した彼らは、人間に「ディスパー」と呼ばれ恐れられた。

そう、このチートン博士こそがディスパーの生みの親であり、地球侵略を企む悪の権化であった。

「…サルハーフ、貴様は何故自分が作られたのか、十分理解できているだろうな?」
含みのある博士の言葉に、一瞬にしてその歪んだ笑みを消したサルハーフは博士の目の前にひざまずく。そして深く深く、頭をたれて言葉を紡ぎだした。
「ええ、ええ、解っております。愛しい創造主(マイマスター)」
そしてその顔を上げ、今まで糸目だった目が見開かれる。
そこに見えたのは、狂気の光をたたえた禍々しい紅い瞳。
「気性の激しいカマセイヌを操り、この地にあるはずのリオンチェンジャーを奪い返す。そして、この地球を制圧しチートン博士の天下にする。それがアテクシ、両性怪人サルハーフ至上の使命ですワ…!」
ひざまずいたまま、サルハーフは光悦した表情で、声高らかに忠誠心をあらわにする。
絶対服従のその構えに、博士は満足したように悪魔の微笑を浮かべた。その笑顔に、サルハーフは抑えることの出来ない快感が湧き上がる。
「ウフフフ…アテクシは、博士に仕えることが至上の喜びなのよ…でも、もう1つ好きなものがあるワ」

ザザッ!

人っ子一人いないはずの森に、何かが動いたような音が響いた。彼らの背後にある茂みからの音のようで、その音に博士とサルハーフは素早く身を翻す。
「あらやだ、なんだか、美味しそうな匂いがすると思ったら」
サルハーフは口元を吊り上げ微笑んだ。そして博士を宇宙船の中へ入るように促し、自身はその音がした方向へ歩き出す。
「地球にきて、初めての"お食事"が人間とやらでなくて残念だけど、貴方たち美味しそうだから許してあげるワ」

ザッ…ザザッ…!

茂みからはサルハーフの言葉に反応したのかわからないが、また何かが動く音が聞こえてくる。
「いやあね、逃げたってむだヨ。いる場所なんて、アテクシ何も見なくてもわかるワ」
始めはゆっくり歩き出したその歩調は段々と速くなり、次の瞬間サルハーフは地を蹴って茂みに飛び込んだ!
そして目の前に現れたのは、野犬が2、3匹。お世辞にも綺麗とは言えない毛並みを持った犬たちは身体を小刻みに震わせている。首に巻きついたぼろぼろの首輪から、元は人間と共に暮らしていただろうという名残が見える。
犬たちは突如現れた侵入者に対し低いうなり声で応戦するが、サルハーフは全く動じない。ソレばかりか、彼は微笑に歪ませた口を開いて舌なめずりをする。
「あら?なんだかウチのカマセイヌに似てるワね…ああ、これが地球の"イヌ"って奴なのかしらン。じゃああの子には共食いになるってことかしら?…でもウフフ、既に鉄くずを食べてる時点で共食いじゃないのン。さて、と」
サルハーフはその狂気に満ちた紅い瞳を閉じると、すっ、とその細い腕を天高く掲げ上げた。
「―――美しいアテクシの糧になりなさい!」
一旦閉じられた瞳が見開いた瞬間、サルハーフの身体に巻きついていた紐状の機関が触手よろしく生命を持ったようにゆっくりとそこから離れる。そして先ほどの動きとは裏腹に、野犬たちに向かって素早く突き刺さった! 
「キャンッッ!」
ずぶり、肉に突き刺さる低い音と哀れな犬の悲鳴が混じりあい夜の森に広がった。間もなく同様の音が2、3響くと、ぬちゃりした音と共にと機関は突き刺した犬らの身体に巻きついて、本体へと運ぶ。
「んふ…いただきまァす」
紅い舌が、紫色の唇を舐めた。

くちゃっ…ずぶっ…

そして機関を器用に操りながら、サルハーフは地球に来てはじめての「食事」を楽しみ始めた。
「あら何かしら、こってりとしてネットリとしたこのうま味。アテクシの身体の中で悲鳴と嗚咽が響き渡るような…うふふ、そんなに生きていることが、つらかったのかしらン…?美味しい…美味しいワよぉん!」
サルハーフの身体の中で、野犬たちの殺された無念や自分たちを捨てた人間への恨み悲しみが1つの渦のようになって流れている。他の星の生き物では味わえなかったこの"うま味"を、サルハーフはよっぽど気に入ったようで、彼は野犬たちの毛の一本も残すことなく"完食"した。
ごくり、最後の一かけらを飲み込むと満足そうな顔をして、ひとりごちる。
「んふ…カマセイヌちゃんも、きっとこの味が気に入るワ。そして、さらに凶暴になって、狂気に染まってこの地球を血に染めてくれるワ…うふふ、素敵、素敵よぉっ!ウフフフ、フフフフ…!」

サルハーフの笑い声が闇夜に響き渡る。
それは、これから始まろうとする地球征服への前奏曲でしかなかったのである…。
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映画みにいきてええええ

超絶変身★ユカリオン!!2「超絶★新たなる敵の姿!!-1」(仮題)

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