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◆創作小説同人誌の感想まとめです
・タイトル、作者名、サークル名のみ。リンクなし。ほぼほぼ所感です。

「切り裂きジャックを待ちながら」(かやのさん/ばらいろ*すみれいろ)
・ひょんなことから怪盗の協力をするようになった主人公の視点でお話が進んでいきます。主人公の目的、怪盗の本当の目的や謎が気になってぐいぐい読みました。
 引きこもりだけど天才的なジャックの面倒を見る主人公・翔の凹凸コンビ感もほほえましかったです。

「魔法少女の裏表」(籐和さん/インドの仕立屋さん)
・魔法少女マジカルロータスとなった少女・蓮と、マジカルロータスに憧れる少年・円の物語。魔法少女のエブリデイマジック的な面白さよりは、魔法少女に憧れる円と蓮の人生の一部を眺めるのを楽しむお話でした。
 特にぐっときたのは、作中の魔法少女は任期があって、いつかは役目を終えるというエピソードが入ったときに、憧れる立場の円が「いつまでも覚えておきたい」と思ってくれたところでした。一見ミーハーに見える円ですが、カメラに対する態度は真剣で、マジカルロータスへの憧れもまた同じ。彼女の活躍を通して、自分にもだれかを助けることができるのではないかと気づくのが良かったです。
 その後のエピソードが胸熱でしたね……!

「ショッターマン」(荒野草追伸さん)
・地の文と会話のテンポがなんともお見事で、やってることはしょーもないのに面白かったです。ショッターマンよく今まで警察に捕まらなかったな。おまわりさんこっちです!

「赤ちゃんのいないお腹からは夏の匂いがする」(にゃんしーさん/おとそ大学パブリッシング)
・現代の価値観から見ればあまりにも旧時代的で、あまりにも性に奔放なのに厳格な田舎の村「夏水」を舞台に、少年少女たちの性の衝動と愛と関係性を描いたお話。熱い夏の日に読んだのは正解でした。たぶんこれ冬に読むより夏の暑い中で読んだ方が夏水村にいる気がする。
 正直、作中の男性のやってることはあまり気分のよいことではないけど、そこが「夏水村」という特異な場所であること、そしてそれを上回る女性側の内面描写の細やかさに感服しました。にゃんしーさんの他の作品を読んだときにも感じましたが、なんでこうも女の執念というか、愛していることと残虐にすることの行ったり来たりを描写できるのかと思いました。

「巴市の日々(下)」(歌峰由子さん/N.T.P.)
・お役所系陰陽師オカルト小説。上巻では転入直後に家はなくなるわ、親しいと思ってた同級生が同僚だったけど無視されるわ、変な降魔調伏でうなされるわでさんざんだった主人公ですが、事態は一転。巴市内を騒がす狗神事件に大きく関わることになります。
 確かに主人公はいろいろと訳アリの青年ですが、悩みや苦悩は意外にも読者たる私たちと同じようなものかもしれません。本当の自分の能力と、それをどうこの世界で生かしていくか。
 とある事件がきっかけで、人の縁に対して若干臆病な主人公と、逆に人の縁で生き残ったキャラクターとの対比が好きでした。 いろいろと乗り越えた主人公がかっこよく活躍するさまも楽しかったです。

「拝み屋の日々」(同上)
・事故物件など、日常に巣くう怪奇案件を解決する「拝み屋」狩野怜路が主人公のお話(先述した「巴市の日々」にも出てくるキャラクターです。いわばスピンオフ前日譚)
 今回は田舎にある行方不明者の出る廃屋、というもうド定番の物件。静かな語り口で進行し、ただただ怨念をまき散らす相手との戦闘シーンは勢いがあって興味深いです。 本編である「巴市」よりも、ホラーテイストの濃いお話なので、これだけでも十分納涼(?)感が楽しめます。
 

「スーパーヒーロー決戦 リーガルフェスティバル」(小高まあなさん/人生は緑色)
・小高さんワールドの変身ヒーローヒロインが一堂に会した超お祭り映画なお話。こんだけ人数がいれば怪人フルボッコなのがわかるわ~って感じになる(笑)
 あと個人的にはこれメタリッカーの続編だよね感あってメタリッカー面白かった自分としてはニヤニヤしてました。主従もの好きな人早く読んでメタリッカー。
 あと、個人的一番ひいきのリーガルユカナ番外編ですよねこれ(二度目だし題名にリーガル付いてる)超法規的措置っていう設定めっちゃ好き。
 

「アクリルガラスのすきま/アクリルガラスのくもり/アクリルガラスのくびわ」(3冊)(紙箱みどさん/まよなかラボラトリー)
・人魚が水族館にいる世界観での、人魚に恋をした/魅入られたひとたちの歴史といっても過言でもない通称人魚トラック。
 おりこうなのできちんとすきま→くもり→くびわの順番で読みました。
 前作で、人魚との逃避行の末まで描かれたのですが、問題はその後。異種婚姻譚のお話は星の数ほどありますが、今作ではまさに異種婚姻譚にプラス「人間が暮らす社会」というのが加わるといっそうのつらみが増すというリアルな面にずぼっと足を踏み抜かれた気分でした。
 あと、みどさんの語り口は本当にお見事だと私思ってます。なんだあのつるんつるん読んでいける上に、お話的に外してはいけないポイントがめっちゃわかりやすくかつドラマチック……。私はファンタジー世界の設定を理解するのがすごく苦手なのですが(異世界ファンタジー感を売りにしてるのは基本読まないくらいには)人魚に関する学術的な設定の出し方が胃もたれしない程度なのが助かりました。
 ジョン・ブラックしかり、タカミネしかり、そしてリンジーしかり、みんなポイントは違えど「人魚に魅入られている」部分が興味深いです。
 あとタカミネとリンジーの関係性好きだありがとうありがとう。


「XXXの仮想化輪廻 Side:Euclid/Side:Dahlia」(青波零也さん/シアワセモノマニア)
・どこかに置き忘れた記憶をRPG風の「塔」で取り戻す青年・ユークリッドと観測者ダリアのお話。この世界観のお話を読むのは実に2年ぶり近くて、ユークリッドと共に手探り状態で塔を旅した感覚が強いです。
 RPGらしく、階層によってかつての知り合いが対峙しながら、未来に向かって突き進むストーリーは、先がどうなるのかという期待と不安に心躍らせながら読み進めました。
 あまり多くを語るとネタバレにしかならないこの本。でも基本は、だれかを信じ、愛すること、だれかと一緒に生きること、ハッピーエンドを迎えることという、青波さんの作品の基本中の基本が詰まっているお話で、読み終えた後の爽快感はひとしおでした。
 取り合えずネタバレになるので以下反転。
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 私ほんとこの本読めて良かったです……だってほら彼のお話ですからね……終末の国からの一番ひいきですからね彼……!!!
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 設定資料集も楽しく読みました。いいな~フルカラー~


「white minds 6 魅入られし果てに」(藍間真珠さん/藍色のモノローグ)
・大きな戦いを前に、仕切り直しというか、新たなステージ前への大事なお話の巻。なに言ってもネタバレになるので反転でどうぞ。
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 ついにレーナたちとの本格的な共同戦線に! おまけに家(基地です)建設とかすごいよ流石レーナさんだよ……。
 家に関連するのかしないのか、各所に「家族」のありかたのさまざまなパターンが示されていたのが興味深かったです。
 真実の一部が明かされたあとの、各神技隊の様子がそれぞれ違うのも。
 巻き込まれてしまった(大意)、というあまりにもな仕打ちに、容赦ない設定だすごい……と一人震えてました。
 これからがもっとすごいことになるだろう本編、楽しみにしています。

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