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■やっとでけた…あうあああ…

というわけでこんばんは、服部です。
ユカリオン!!とりあえず殴り書きですが出来ました。これから印刷にかける準備と同時に推敲を始めます。
ご意見要望ありましたらドンドン言って下さるとすごくうれしいです。その前に読んでくださるだけでも感謝感激雨アラレです!!

続きからどうぞ
2.
その距離わずか30センチ。すぐに、くるりと回る自分の視界。
そして見えたのは、青いストライプ。
それが、彼との出会いだった。
「ったく、どこみてんだよ!」
脊髄反射の怒鳴り声が、ぶつかってきた主の第一声だと理解するにはさほど時間は掛からかった。由香利だって伊達にこの地で小学生を4年やっているわけではないのだ、おおよその奴の顔と声なら解る。
この声のやつは、知らない。

「…なによ、そっちだってどこに目ぇ付いてんのよ!」
脊髄反射が由香利にもうつったのか、売り言葉に買い言葉で反応してしまう。キッと顔を上げると、そこには案の定知らない男子の顔があった。
(…?!)
自分のクラスメートには居ないタイプのその顔に、由香利は突然胸がドキッとするのを感じた。
青いストライプのTシャツが妙に似合う、目のまあるい勝気そうな顔。だけど少し大人っぽい、そんな雰囲気の。
言葉も出なくて、転んだままの姿勢で固まってしまった。
「お前が急に走ってくるからいけないんだろ!」
ぽおっと見蕩れていたのもつかの間、愛想もへったくれもない声が再び響くと、とたんにときめいた心が踏みにじられたような気がして気分が悪くなった。
「そっちもぶつかっといて何よ!」
むう、と思い切り不機嫌な顔で叫んでやると、彼の口はいっそうへの字になったが、ふと、一文字になるとにやりと笑った。
「…お前、パンツ丸見えだし。色気ゼロ、やーい!」
「…!!」

はたと気がついて自分の下半身を見てみると、体操すわりを崩したような脚、わかりやすくたとえればアルファベットのM字型のしたポーズをとっているのが解る。
もちろん、暖かい気候のせいで、中にブルマもスパッツもはいていない。
彼の居た位置は真正面。つまり、その、スカートの中身は丸見え。

「…きゃぁあああ!何っなっなぁーーーっ!」
すべてを理解しきった由香利の感情は、とにかく叫び声をあげることにしたらしい。日本語になってない叫びを上げて、立ち上がったはいいけれどすでに相手は走り去っている。
ぶつかられた挙句に、邪険にされておまけに自分のスカートの中まで見られて!しかもよりによって、心がときめいたなんて!

天野由香利、最大最悪の事態。なんたる侮辱、なんたる屈辱!

ギリギリと噛む奥歯の音が大音量となって骨を伝わり全身へと響くほどの怒りを感じながら、由香利はふと自分が通学途中であること、そしてなおかつ遅刻寸前という事実を思い出した。
「うわあああ遅刻しちゃう!あいつ、ほんとに、むかつく!!」
大声で叫び、ランドセルの口をカタカタと派手に鳴らしながら、由香利は校門までの道のりを全力疾走していく。
(もーあいつ、何なのいったい?!もう、むかつくむかつくむかつくーッ!)


*******

「むかつくむかつくむかつくのよーっ!」
がらりと乱暴に教室のドアを開けて、自分の席までまっすぐに進んだ由香利は、不機嫌な顔をして椅子に座った。
「何がそんなにむかつくの、由香利ちゃん」
ちょこんと由香利の横に現れた少女が、口を開く。
肩まででばっさりそろえた黒髪が印象的で、由香利の活発とした可愛さとはまたタイプが違うが、十分美少女と形容していい顔を優しく微笑ませている。
「…メグ、おはよう」
「おはよ、由香利ちゃん」
「ちょっと聴いてよ、朝から酷いんだよメグぅ」
メグと呼ばれた少女は、少し困ったような、駄々っ子をあやすような笑顔を浮かべたまま、由香利の愚痴を聞きはじめた。
本名を神崎恩(かんざきめぐみ)といい、名前の恩からとって、メグと呼ばれている少女だ。
「…ふうん、そのぶつかった男子、由香利ちゃんが知らない子なんだ」
朝の一件を聞き終えた恩は、彼女の癖になっているらしい動き―――小さな首をかしげる―――をして、少し困ったような、小さい子をあやすような表情を見せた。
「うん、顔見たことないし」
「ふしぎね、由香利ちゃん、うちの学校の男子ほぼ全員と喧嘩したことあるでしょ?」
由香利が入学して以来、この先地小学校では由香利と喧嘩をして勝ったものは居ないという伝説が出来上がっている。由香利の持ち前の正義感と、負けず嫌いと、先天的な運動能力が幸いしてのことだった。
「んもう、全員は大げさ。ただ、弱いものいじめが気に入らないだけだってばぁ」
はにかみながら話す言葉には、子どもながらの正義感と、やんちゃな気質が見て取れる。
「そういえば、今日うちのクラスに転校生が来るって…あ、チャイムだ」
恩の言葉にチャイムがかぶる。それを合図にクラスの中がが慌しくなり、着々と席に座り始める。
「転校、生…?」
転校生という耳慣れない言葉に後ろ髪引かれながら、由香利も席に着いた。
しゃべり声で騒がしかったクラスに、いつもと同じ顔をした担任教師が入ってくるなり少しづつ静かになっていく。
しかし、今日は様子が違うようだ。教師が教壇の定位置にきても、児童の声が一向に静まらない。

皆の目線の先に居るのは、担任教師ではなく…。

「皆、静かにして。今から転校生の紹介をするんだから!」

目線の先には、青いストライプ。朝に見た顔、ふてくされた表情。
まさか、そんな、こんな偶然、要らないんだけど。
心の中で独白しながらも、目が離せなくなっている自分がいる。
「あ…あ…あいつ…!」

「さ、皆に自己紹介して」
「榊乃憲太です、よろしく」


青いストライプが、高らかに名前を告げた。


*********

スポーツ、万能。
明るく、よく笑う。
ちょっぴり、美形入ってる。

「すっげええむかつく!!」

ダンっ!!

可哀相に、学校の机は飛びっきり乱暴に叩かれて全身が震えている。実は、叩いた由香利にも震えは伝わっていて、本人はかなり痛がっているのだけど。
「しびれた」
「由香利ちゃんのオバカさん」
「うう、メグひどい」
いまだ痺れが残る手を握り締め、机に突っ伏す。どさり、と重い音が人の少なくなった放課後の教室に良く響いた。

問題の青ストライプ…榊乃憲太と名乗る少年が転校してきてはや一週間。彼は明るい性格と、運動神経の良さ、そして器量の良い顔が受けているのか、たちまちクラスに馴染んでいった。

「どうせ私は馬鹿よぅ…それにしても、あいつ、むかつく。あいつこそ、バカケンタよ」
「そんなに憲太くんが、気になるの?」
「気になるっいうか、あいつ、いつも喧嘩ふっかけてくるんだもん」

たとえば。
体育の時間の跳び箱でどっちがどれだけ高く飛べるか。
「へへ、俺のほうが一段多かったな」
体育の時間の50M走でどちらが速いか。
「へへ、俺のほうが一秒速かったな」
給食の時間にどちらが早食いできるか。
「へへ、俺のほうがソフト麺1本分早かったな」

「…ってな具合よ、いっつもいっつも微かの差であいつに負けてんの!」
「…由香利ちゃん、どうでもいいけど給食はゆっくり食べたほうが、良いと思う」
「だけどー!」
友人の厳しくも当然の突っ込みに、顔を真っ赤にして抗議するが本人はどんなことでも悔しいのだ。たとえそれが、給食の早食いなんていう浅ましいものであろうとも。
「ふしぎね、なんで由香利ちゃんだけにそんなに突っかかるのかな」
「ふん、知らないわよそんなの」
「ぶつかったときにパンツ見られたから?」
「やっ…!大声で言わないでよ!」
顔を真っ赤にして抗議する由香利の前に、大きな影が、ひとつ。

「天野、お前このあいだの算数の小テスト何点だ?」
「うわっ!」
話題の主の声が遠慮なく掛かり、二人はのけぞってその顔を見た。印象的なストライプブルーと、人懐っこいしゃべり方。決して嫌な奴ではないのだけれど、いちいち突っかかるのだ。
榊乃憲太、その人である。
「榊乃くん…」
「なによ、あんた部活はどうしたのよ」
「今日は職員会議で部活ナシだろ?バカじゃねぇの?」
「バカとは何よそんなことわかってるって!」
「で、何点?まさか俺より低いとか?」
榊乃の自信満々の笑みに対して、由香利はかばんをとり、席を離れる。「もういこう!」と、恩に話かけて、教室のドアへと進んでいく。
「お、おい」
少し戸惑った様子で榊乃が止めると、力任せに振り向いた由香利が一言、冷たく言い放った。
「私は100点だけど、何か?」
ピシャン!
ドアが勢いよくしまるのを、榊乃はただ呆然と見つめていた。

***********
「おい…まてよ…待てったら!」
追いかけてくる声が由香利の背中に響く。ああもう、うっとうしいったらありゃしない!
由香利はあえて、後ろは振り向かず早歩きで進んでいく。そのうち小走りで榊乃が由香利に追いついて、面白くないといった顔立ちで軽く前に立ちふさがった。
「なんだよ、聞けよ俺の話」
「何よ、私さっきちゃんと結果を教えてあげたじゃない」
由香利が立ちふさがった榊乃の横を冷たく通り過ぎると、榊乃の顔がいっそう不機嫌になる。それでもあきらめないのか、由香利の横にぴったりくっついて歩き始めた。
「その言い方無えよ、かわいくないやつ」
「かわいくなんかないわよ元々」
「その言い方がかわいくないっつの」
「もういいわよ、うるっさいわね、いい加減離れたらどう?」
「俺の通学路だぞ、離れる理由がないね」
「~~~っつ」
大体、なんでこいつは私ばっかり相手するのか。喧嘩友達だと思われているならそれでもいいけれど、馬鹿にするのがすごく気に入らないのだ。
そもそもの出会いからしてはっきり言って最悪だった。大体、ぶつかっておいて心温まる親交すらなくて。恥ずかしい格好も見られて。

…だけど、本当はそんなに、嫌な感じはしない。由香利は、心の中に生まれているひとつの不確かな気持ちを抱いていた。
実際、彼は自分から離れるとクラスの人気者である。明るく元気でムードーメーカーなところは、一歩離れていれば十分魅力的に見えるのだ。

それならなんで、私にかまうのだろう。クラスにも部活にも友人がいるはずなのに。どうして。
横にいる榊乃の顔を見る。―――黙っていればかっこいいのに。

夕日に映える二つの影、伸びたそれはゆらゆら一緒に揺れながら徐々に寂しくなっていた住宅街に妙に似合う。少しだけ、風が寒い。


「榊乃、あんたってなんで私に…」
言葉はそこでさえぎられた。二人の目の前に立つ、異形の者によって。

「おぼっちゃん、おじょうちゃん、どうだい、このおじちゃんと遊ばないかい?」
「ひっ…!」
二人の口からほぼ同時に悲鳴が、でた。そしてひひっ、と人ではならざる笑い声が彼らの足を止めたのだ。
そこには、タキシードを着た、デジタル時計の顔を持つ怪物がたたずんでいた。あくまで丁寧な口調がその姿と、夕日の妖しい色もあいまって不気味にみえる。
「ふふん…君達は特別、おいしそうだ」
カパァ!
怪物の時計にしか見えなかったはずの顔から、紅い口が裂けて開いた!
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